
- 中国語を独学で使えるようになりたい。
- 英語は苦手だけど他の外国語に興味がある。
- 中国語の能力を証明出来る資格が欲しい。その勉強法と大変さの目安を知りたい。
あなたはこのようにお考えではありませんか?
結論として、中国語は十分独学で習得できます。しっかりと計画を立てて正しい方法で学習すれば1年でHSK6級(最高級)のレベルに到達できるでしょう。
中国語は英語と違い、漢字を扱う言語だからです。
漢字なので新しい文字を覚える量が少なく、日本人は英語よりも中国語を勉強する方が向いています。
この記事では実際に私が行った、中国語の資格(HSK6級)を取得する方法を解説しますね。
初学者でも独学で中国語をマスターできるのでぜひお試しください。
目次
中国語を習得するのが難しくない理由
結論として、中国語を習得するのは難しくないです。理由は3つあります。
- 漢字のみを使う言語なので英語が苦手でも勉強しやすい
- 文法がシンプル
- 日本語の単語と同じ単語が多い
ひとつひとつ解説していきますね。
漢字のみを使う言語なので英語苦手でも勉強しやすい
中国語で使う漢字の多くは、日本語の漢字と共通しています。
英語や韓国語の様にまた1から新しい文字を覚えるのは大変ですよね。
その点、中国語は日本人にとって勉強しやすい言語としておすすめできます。
また漢字の特徴として、字1つ1つが意味を持っているので知らない単語が出てきても多少、意味を推測することができます。
文法がシンプル
中国語を勉強し始めた方はビックリすることが多いのですが、文法が英語と比べて非常に簡単です。
英語は動詞に時制があって変化しましたよね?中国語は動詞が変化しません。
じゃあどうやって過去形や未来形、仮定法などの複雑な表現をすれば良いの?
中国語はとても簡単です。
特定のワードを合体させるだけ。たったこれだけです。
具体例として過去形の作り方を簡単に説明しますね。
動詞に『了』をつける。以上です。
- 吃(食べる)⇒吃了(食べた)
- 学习(勉強する)⇒学习了(勉強した)
- 及格(合格する)⇒及格了(合格した)
単純ですよね?
中国語には『三人称単数の時は動詞にsをつける』といった英語のようなルールもありません。
単純な例を紹介しましたが、このように中国語の文法は英語と比べて非常にシンプルなのです。
日本語の単語と同じ単語が多い

中国語と日本語において共通する単語は多いです。
美食、家庭、学校など私たちが見慣れた単語や、时间(時間)など漢字が日本語と異なるもの、科技(科学技術)など日本語の単語を縮めたものなど色々あります。
つまり『新しく暗記しなければいけない単語が少ない』ということです。
これは外国語を勉強する上でとても大きなアドバンテージではないでしょうか。
ターゲット1900やシステム英単語の様な単語帳をひたすら反復する必要が無いのです。
「とは言っても外国語が苦手で習得できる気がしない」
確かに外国語に対して苦手意識がある方もいます。
しかし、心配いりません。中国語ほど日本人にとって勉強しやすい外国語は他にないからです。
高校時代に英語の成績があまり良くなかった私でも、今では自由に中国語を使えるレベルになりました。私も中国語の学習で苦労したこともありましたが、正しい勉強法でやれば徐々にできるようになります。
なので繰り返しですが、中国語はかなり勉強しやすい外国語だと言えます。
最初の目標はHSK
勉強方法を紹介する前にまずゴールを設定しましょう。
ここでは仮のゴールとしてHSK6級の合格を目標にしますね。
HSKとは?
HSKとは、中国で開発された中国語の能力を測定するための試験です。
HSKは、中国語を学ぶ外国人や非中国語話者のために作られていて、中国語のリーディング、リスニング、ライティングの能力を評価します。
HSKは1級から6級までの6つのレベルがあり、初級から上級までの幅広い中国語能力をカバーしています。
1級が最も簡単、6級が最も難しい級です。
HSKの合格証書は、中国語の能力を証明することに使うことができるでしょう。また、一部の大学や企業などがHSKのスコアを入学や採用の基準としています。
HSKのテストは定期的に世界中で実施されており、HSK用の教材も充実しています。
中国語の学習者にとって、なぜHSKはよく目標とされるのでしょうか。それは、自身の中国語能力を証明するのにうってつけだからです。
HSK以外の中国語の資格は?
中国語検定試験、TECC(中国語コミュニケーション能力検定)、全国通訳案内士試験などがあります。中国語検定試験以外についてはまた別の記事で解説しますね。
中国語検定試験
民間の中国語検定として40年以上の歴史と実績がある試験です。日本にて最も高い知名度を誇ります。通称「中検」。
1級が最も難しいレベルで、合格すると国家資格「通訳案内士」の試験で外国語筆記試験が免除されます。
出典:中検 | 中国語検定試験 (chuken.gr.jp)
日本国内や日系企業で中国語を使う仕事を探す場合、能力の証明やアピールに活用できます。
HSKと中国語検定どちらを受ければ良いの?
結論から言うと、目的によって選ぶと良いです。
HSKの受験がおすすめの方は
- 中国へ留学したい
- 中国で仕事をしたい
- 海外でも認められているHSKの証明が欲しい
という方におすすめです。
HSKは中国政府が運営しているので、海外でも実力を証明する資格として認められています。
中国の大学に留学する際の条件としてHSKの取得が条件となっている大学も多いですね。
理系なら5級、文系なら6級が条件となっていることが多いです。
それだけでなく、HSK5級以上を取得している場合、就労ビザ取得時に要件が満たされやすく、有利になります。
中国語検定の受験がおすすめの方は
- 中国語の通訳や翻訳を仕事にしたいと考えている
- 日本国内で中国語を使う仕事を考えている
という方におすすめです。
HSKと比べて中国語と日本語間での翻訳の問題が多く出題されます。
日本国内ではHSKよりも知名度が高いので日本国内で活用するのであれば中国語検定を受験するのが良いでしょう。
特にこだわりが無い場合、HSKを受験することをおすすめします。
せっかく受験するのであれば、海外でも使える方が良いですよね。
また、HSKは試験だけではなく、有料ですが希望者に中国の大学ツアーやオンライン留学なども提供しています。
他の試験に比べて中国に関わる機会が増える試験、それがHSKです。
独学で勉強するなら何から始めれば良いのか
中国語の学習は
- 発音(ピンイン)の学習
- 文法の学習
- 語彙力の増強
- 読解とリスニングの練習
を上から順に始めると良いです。
HSKの合格には必要ありませんが、これ以外にもスピーキングの練習や中国文化についての学習をすると中国語の実力が上がるでしょう。
発音(ピンイン)の学習

中国語の発音記号のことを『拼音(ピンイン)』と言います。
HSKにはピンインを理解していないと解けない問題も出題されるので、まず全ての基礎となるピンインをしっかり学習しましょう。
入門書としては『中国語発音完全教本』をおすすめします。
中国語は発音が少々複雑です。
なのでよく音を聞いて真似ることが大切です。
身の回りにもし中国人の知り合いがいれば教えてもらうのも良い方法ですね。
- 文法の学習
- 語彙力の増強
- 読解とリスニングの練習
これらはHSKの級に対応する公認テキストのみで大丈夫です。この公式テキストは
HSKに合格できるように計算して構成されていて、1冊でリスニング、ライティング、リーディング全て対応できます。
文法の解説も教科書みたいに作られているので、工夫して活用すれば、他に本を購入する必要はありません。
HSK6級合格までどのくらい時間がかかるのか?
HSKのレベル
HSKのレベルは以下の図の通りに分けられます。
出典:HSK 日本で一番受けられている中国語検定 (hskj.jp)
公式サイトによると、HSK6級のレベルは5000語以上の常用中国語単語を覚えて、『中国語の情報をスムーズに読んだり聞いたりすることができ、会話や文章により、自分の見解を流暢に表現することができる』程度のレベルです。
これを時間に換算すると、約350~450時間の勉強時間必要となります。
1日2時間、週3日勉強すると仮定すると、1年間は約52週なので年間312時間の勉強時間が確保できます。
HSKは何級から受けるべきか
中国語を勉強し始めたばかりの方は1級から受験しようと考えているかもしれません。
しかし、私は3級から受験をすることをお勧めします。
理由は2つです。
- 1,2級は簡単である
- 3級が日本人にとって丁度良いレベルである。(勉強時間の目安:約1か月)
そもそもHSKは中国が外国人向けに作ったテストなので、受験するのは日本人だけではありません。アメリカ人やフランス人など非漢字圏の人々も受験します。
1級や2級は漢字やピンインを知っているかどうか問われるレベルです。
なので繰り返しですが、私は3級からの受験から受験することをお勧めします。
「でもいきなり3級から受験しても合格できるの?」と不安に思いますよね。
もし不安であれば、1級や2級の公認テキストを書店で立ち読みしてみると不安が解消されるはずです。
もちろん、テキストを読んで2級が自分に合っていると感じるのであれば2級から受験するのも良いのかもしれませんね。
3級は1か月、4級は2か月ほど勉強して受験すると丁度良いです。
スピーキングについて
HSKKとは
HSKや中国語検定にはスピーキングは出題されません。
スピーキングの試験を受けたい場合は、HSKKという試験を受験してください。
HSKKは、中国語口語能力試験と言って、リスニングとスピーキングの能力を測定するテストです。
試験はコンピューターを使って実施されることが一般的で、受験者は音声を聴きながら問題に対する回答を音声で録音します。
HSKKには初級、中級、上級の3つのレベルがあります。
- 初級:基本的な会話や日常生活の場面でのコミュニケーション能力を測定。
- 中級 :中程度の難易度の会話や一般的なトピックについてのコミュニケーション能力を評価。
- 上級:高度な会話や複雑なトピックについてのコミュニケーション能力を測定。
HSKKの合格証書は、中国語の口語表現能力を証明するために使用されることがあります。特に、語学学校や大学の入学や就職の際に評価材料として利用可能です。
HSKKの試験は、一般的にはHSKと同じ日程で実施されることが多く、試験対策の教材も充実しています。HSKKに向けての準備では、リスニングやスピーキングの練習を重点的に行うことが重要です。また、実際の試験形式に慣れるために、過去のHSKKの試験問題を解くことも役立ちます。
まとめ:中国語は初心者でも独学でマスターできる
- 中国語の独学は敷居が高くない
- 中国語ほど日本人にとって勉強しやすい外国語はない
- HSK合格を目指して、発音→公認テキストという順番で勉強する
- HSK6級は約1年で合格可能(1日2時間、週3日勉強のペースで)
- HSKKはスピーキングの能力を証明できる
この記事では、初心者として中国語を学びたい方に向けて、成功への道筋を示しました。
新しい言語を学ぶことは大変かもしれませんが、継続的に取り組むことで初心者でも確実にマスターできます。
ぜひ中国語を学んでに仕事に活かしたり、日常生活や留学生活を豊かにしたりしましょう。
もっと早く中国語ができるようになるには?

ずばり留学することです。
留学すれば、現地の中国語、中国の文化に触れ、メキメキ中国語の実力が上がるでしょう。
中国には言語留学を受け入れている大学が数多くあります。
日本には中国の大学の分校があるので見学や入学するのも良いですね。
中国の大学の分校は
- 北京語言大学東京校
- 天津中医薬大学中薬学院日本校
- 上海大学東京校
- 深セン大学東京校
などがあります。
文部科学省は、これらの学校を「外国の学校教育制度における教育機関の一部と位置づけられている外国大学日本校を、当該国大使館等を通じ,対象に該当することの確認を得て、『外国の大学,大学院又は短期大学の課程を有するものとして当該外国の学校教育制度において位置づけられた教育施設』(通称、外国大学日本校)」として指定。
また、「指定を受けることにより、課程修了者に対して我が国の大学院等への入学資格付与、修得した単位について我が国の大学等との単位互換等が認められる」ようにしています。
つまり、中国の大学の分校を卒業しても日本の大学を卒業したことと同等だと認めるということです。
海外の大学へ進学したいけど高校を卒業してすぐに留学するのが不安な方は、このような学校に通い慣れてから留学するのも良いですね。
是非これらの方法を駆使して中国語をマスターしましょう。